【マンション】販売会社が契約前には語らないコト|購入者が伝える真実

新居探し
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そのマンション、後悔しないですか

「何で先に言ってくれないかな」マンションの購入後に感じたことは多々あります。

幾多のマンションを売ってきた担当者は知っていたはずです。それは購入者の負担であることを、それは収まらないことを、それは叶わないことを、の数々を。

マンションの使い勝手、住み始めてから後悔しても始まりません。「初めてのマンション生活」であるマイホーム探しは、どのような生活と心得て探すのが正解でしょうか。

各部屋各部屋に様々な生活空間(生活シーン)が詰め込まれています。空間が限られたマンションでは、利便性を追求すればデメリットも生まれやすいのが特徴です。そのデメリットをも含めて事前にシミュレーションできるかが大きな違いとなって家探しに返ってきます。

マンションを決めるとき、販売担当者は耳当たりの良いセールストークで契約まで促します。販売担当者は当然ながら契約を上げることが仕事ですので、耳障りの良くない本音の話はしてくれません。

私も引き渡しの後、住み始めるまで分からなかったものが多々あります。そもそも初めてのマンション購入では、何が問題になるのかすら分からないものであります。

大きな買い物に夢も膨らむ中、「他の検討者の方がこの後打合せに来ます」という煽り文句を聞くと冷静な判断もできないまま、あれよあれよという間に相手のペースで仮契約まで商談が進みます。

しかし「何を検討またはシミュレーションしておけば良いのか」を知っていることで販売担当者に煽られる中でも、正確な取捨選択が可能です。

この記事はこんな人におすすめです

ここでは、商談時には知る機会がない住み心地について「何を検討しておけば良いのか」ご紹介していきます。

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修繕工事|修繕に関する費用と居住者負担

外壁仕上げにまつわる知らされない現実

塗装仕上げの建物とタイル張りの建物ではどのように違うと思いますか。

まずタイル張りの建物の方がお洒落に見えますよね。コンクリートはひび割れによる雨水の侵入が大敵です。

塗装仕上げの部分は紫外線による塗料の劣化によってひび割れしやすい性質があります。対してタイル張りでは躯体のコンクリートが、モルタルと呼ばれるセメントとタイル材によって覆われています。そのためタイル仕上げの躯体はコンクリートは比較的健全な状態が保たれます注1)

注1)ここで少し専門的な話になりますが、アルカリ性であるコンクリートと同じアルカリ性で親和性の高いモルタルで覆われているところがポイントです。

では全面タイル仕上げの方が良いではないか、という結論になりそうですが、施工費用は塗装仕上げの方が安く仕上がります。お探しの物件が全面タイル張りのマンションでしたら、それなりの施工費用であると思ってください。これはいずれ訪れる修繕工事についても同様のことが言えますので、物件選びの目安にしてください。

タイル張りの外観は見栄えも良く、躯体コンクリートの保全機能は高いですが、施工費用(修繕費用)も安くはありません。

【あわせて読みたい関連記事】大規模修繕工事にまつわる基礎知識

タイル仕上げの外壁 表の顔と裏の顔

天井のひび割れ修理の責任所在は誰?

我が家マンションの修繕工事の際に、設計事務所の方に言われた話ですが、天井のコンクリートも経年劣化でひび割れは発生します。天井のボードが吊られていて見えていなければ気づかないだけかも知れません。

信じられない話ですが、我が家の天井もひび割れを起こしており、経過観察のまま生活しています。

最近のマンションのトレンドとして高い天井とする傾向にあるようで、天井にボードは吊らず上階のスラブ(フロアのコンクリート)背面に直接クロスを貼って天井の仕上げとされています。そのため、天井のコンクリートの状態は良く確認できます。

ここで注意が必要なのが、天井のひび割れからは水漏れの懸念もあるということです。

自宅マンションの天井のひび割れから実際に水漏れが発生しました。原因としては、強烈な台風の横風で上階のサッシの隙間から水が入り込んで躯体内部を伝ったという見立てでした。この時はサッシ建具の雨仕舞の施工不備として、大規模修繕工事と合わせて対策工事が行われました。

幸いにその対策工事以降、水漏れは発生していませんが、構造的部分であるにせよここは居室内であるところが微妙なラインでもあります。修繕積立金による大規模修繕工事はあくまで共用部分の工事に限られますので、今後も不安材料として残った状態ではあります。

また、これがもしトイレなどの住宅設備の不備による水漏れだとしたら、明らかに上階の住人の責任ですので、下階の家財の賠償責務などが発生してしまいますので注意が必要です。

集合住宅での生活では水漏れ等、下階への浸水には注意が必要です。万が一の時に備えて、日常生活の賠償を賄える保険に加入しておくことも自己防衛として大事かと思います。

ベランダ|敢えて知らされない使い勝手の実態

ベランダ使用に関する誤解

避難経路としてのベランダ

ベランダバルコニーは、パーソナルスペースのようで共用部分です。避難経路としてのものなので、すぐに撤去ができない物置は置けません戸建てには敵わないポイントでも紹介していますが、収納力では戸建てには敵いません。その代わり、修繕工事は修繕積立金の共用費用でやってもらえます。

ベランダを簡易的な庭の様に利用したいなら、ルーフバルコニーの使用できる物件を探すのが良いでしょうね。ただし、ルーフバルコニーのある部屋は角部屋になるので、物件価格は少し割高になる他、別途でルーフバルコニーの月額使用料が共益費として加算されますので、商談段階で諸々確認は必要です。

そして、ルーフバルコニーあくまで屋根上(屋上)です。風が抜ける場所である認識は忘れないことが大切です。風散養生などの安全対策は家主の責任となってきます。

マンション住まいでのベランダは通路です。庭の様に使用するならルーフバルコニー付きの物件探しをお勧めします。

不自由なベランダ使い

マンションを決めようとする場合に、洗濯物を検討課題としてあげることは少ないと思います。私も自宅マンションの購入の時には考えもしませんでした。今決めようとしているマンションは外に洗濯物を干せますか?布団はベランダの手すりに掛けて干して大丈夫ですか?

実際のマンションの住まい勝手としては、ベランダに洗濯物や布団を干す場合に意外に外の風を気にします。マンションに引越して間もない頃、ベランダに干していた洗濯物が下階のバルコニーに飛んでいったという経験もあり、ベランダに洗濯物を干す場合には細心の飛散防止を心がけて常に風の動向には気を使っています。

また物件によっては、景観上の観点からベランダでの布団干し禁止、洗濯物はベランダ腰壁より低い位置で等の規制があるところもあるようです。

これは住まいの居住性に関わる部分です。戸建てとマンションの居住性の違いでも紹介していますが、マンションの販売委託を請けた会社としては積極的には案内したくない部分であると思います。

ベランダの使い勝手は販売会社は敢えては教えてくれません。物件探しの優先順位によっては室内干しとなる可能性も想定する必要があります。

住宅設備|住まないと分からない使い勝手

キッチンのレイアウトと使い勝手が変わる「右と左」

キッチンのレイアウトには右利き用と左利き用ありますが、ご存知ですか。

キッチン例(左利き用)

右端コンロ左端シンクが右利き用、その逆配置が左利き用とされています。利き手で包丁を持った時に作業が流れやすい方向の配置とされています。(いずれも中央が作業スペースになります。)

マンションのキッチン設計では、コンロ周りを耐火構造としなければならない法規上の関係で、キッチンの一番奥にコンロが配置され、その脇の壁は耐火措置がされた壁になることが多くあります。

そう配置された結果が右利き用だったか左利き用だったかという結果論ですので、注文住宅と違いマンションではキッチンレイアウトを選ぶことができません。

私は右利きですが、コンロが右側にある右利き用よりも逆配置の左利き用の方が使いやすいと思っています。皿に盛り付ける時にはむしろ作業スペースがコンロの右側にある方が使い勝手が良いと感じているからです。(慣れの問題かもしれませんが。)

分譲マンションのデメリットの部分になるかと思いますが、キッチンのレイアウトにこだわって住みたいのであれば、他の分譲区画(部屋号室)を検討するか、物件そのものを他を検討するかになります。もしくは戸建て注文住宅を視野に検討の是非もあると思います。

何を優先するかによるかと思いますが、広い居住性とともにキッチンの使い勝手を優先するのであれば、戸建て(注文住宅)に優位性があります。

意外と知られていない24時間換気の義務

2003年の建築基準法の改正ですべての建造物に24時間換気が義務付けられました。戸建て住宅では換気方法はいつくつか選択(設計)の余地があるかと思いますが、マンションでは開口等による自然換気には限度があります。そのため必然的に換気扇による強制換気が必要となります。

私は現マンションに引越して初めて24時間換気の家に住みますが、常にモーターが動いている音に慣れるまでは違和感があるかも知れません。

気を付けないといけないのが、義務付けられた換気設備なので、当然定期的に交換もしなければなりません。24時間換気システムの耐用年数は約10~15年と言われています。異音など不調のサインが現れたら交換が必要となります。

24時間換気システムは定期的に交換が必要な住宅設備です。住まいのメンテナンス費用として見込んでおくことが重要になります。

家具家電|意外と多い寸法制限

冷蔵庫

居住性の広くないマンションではキッチンのスペースも限られており、前項で触れたキッチンのレイアウトとともに冷蔵庫の設置スペースの位置と寸法は決められています。

実例として、我が家マンション(3LDK)でのキッチンでは、一番奥のスペースに75㎝幅で冷蔵庫の設置スペースが設けられています。実際に家電量販店でファミリー向け冷蔵庫のサイズを確認してみると、意外にもこのスペースに収まる冷蔵庫はなかなか選択肢がありません。

約500ℓサイズのファミリー向けでは製品寸法で最小で幅65㎝~で、プラス両脇に5㎝ずつ熱がこもらないための余裕を見ないといけません。そのため最小幅の製品しか収めることができません。

製品の機能ではなく、冷蔵庫の収納容量と大きさ(最小)で製品を選ばざるを得ないのです。

そして大抵の製品が右吊元で左から開く仕様になっています。我が家マンションでは左壁際に置くので、狭いキッチンで左から開けると品物の出し入れがとても不便です。

洗濯機

我が家では洗濯機を替えるとしたら、次は縦型が良いかドラム式が良いかなんて話を雑談交じりに話していました。そして、ついに洗濯機の脱水機能がダメになり、サイズを確認しながら、いそいそと品定めをしていて思ったんです。

ドラム式洗濯機はだいたいの機種が、マンションの洗濯機パンではサイズオーバー

原理として、洗濯機のドラムの中で洗濯物が上から下へ打ち付けられて汚れを叩き出している(たたき洗い)のですから、ドラムの大きさ(横寸法)が必要なのは仕方ありません。

何とか見つけたドラム式洗濯機の最小寸法の機種でも、脱衣所の洗濯機パンの奥行きが5cm足らないので、希望むなしく、従来と同じく縦型洗濯機に収まりました。

マンションでは室内のレイアウトは決められているので、置ける家電には制限があります。そして物件(部屋)によっては非常に使いずらいレイアウトになってしまう場合もあります。

虫との付き合いは避けることができるのか

上階には虫は来ないのか

以前住んでいたアパート(2階)では年に2~3回はゴキブリ(以下、Gと略)に遭遇することがありました。夜も蚊に目を覚まされ、夜中格闘し寝不足なこともたびたびありました。虫嫌いな家族の要望もあり、上階の住まい(7階)に引越したわけであります。

蚊は地上10m程度(概ね3階)までしか自力では飛べないと言われています。

その真相を自宅マンションにて確認したところ、蚊に遭遇するのは1シーズンを通して数回程度でしょうか。しかも宅内にてメダカを飼っていたため、殺虫剤は使えないのでほぼ防虫措置はしていません。Gについては、宅内では引越し以来10数年遭遇していません。

虫もエレベータで上階へ運ばれてくるので1階も上階もあまり変わらない、という話を聞くことがあります。しかしそれは限定的な移動ですので、上階でもゼロではないにしても格段に蚊の遭遇比率は少なくなりました。

ただし、上階でもガーデニングなどの水回りから蚊が発生する可能性もありますので、この点は注意が必要です。

虫が苦手でわざわざマンション上階に引越したという人もいると思います。エレベータに蚊を入れない、上階でも蚊を発生させないことが快適なマンションライフのコツです。

一階が店舗のマンションは虫大国?

暮らしの中でゴキブリ(以下、Gと略)等の虫の対処に悩むことは多々あります。一階に飲食店がある場合には、排水・廃棄場などは、Gたちにとっては良質な餌場となっています。そのため配管を伝い、またはエレベータで上まで上がってくるリスクは大いにあります。

私のマンションは飲食店は入っていないですが、ごみ置き場ではGに遭遇します。その虫たちでしょうか、エレベータ内でもGに遭遇することはあります。人が便利な設備は虫たちにも便利な設備であります。

上階の方が虫に遭遇する可能性は少ないと思われますが、飲食店の入るマンションではそれなりの覚悟は必要ですね。

まとめ

マンション販売担当者と対等に商談して正確な取捨選択をするには、「何を検討しておけば良いのか」を知っておくことで、その物件のネックになっている部分など、核心に触れた物件検討をすることができます。
また物件の検討には建物そのもののミクロな検討の他、周辺環境まで含めたマクロな検討をすることで、後悔のない自分に合った物件探しをすることができます。詳しくはこちらでご紹介していきます。
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