【賃貸と持ち家】持ち家管理の表裏|賃貸は気軽という定説は本当か?

住まい方比較
賃貸は気軽と思うその常識は本当ですか?
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維持管理

賃貸(集合住宅)の維持管理

マンションの改修工事

賃貸住宅であれば分譲マンションのような管理費はかからないと思っていませんか。私の以前住んでいたアパートでは賃貸料の他、5,000円別途で管理費を支払っていました。

賃貸住宅では大家さんが管理をしてくれているケースは多いと思います。大家さんは頂いた賃貸料から税金、ローンを支払い、物件の管理をして生活をしています。

そんな大家さんの物件管理も、大家さんによって規約が全く異なるので念のため気に留めておくことをお勧めします。

私自身の実例ですが、マンションに住み始める前はアパートに住んでいました。不動産屋さんと内見に回り、物件を決めて契約した後に、大家さんからの注意事項を言い渡されたことがあります。
トイレットペーパーはシングル指定、壁に画ビョウ禁止...その他諸々
理由を伺うと、ダブルのトイレットペーパーは詰まりやすい、壁紙が画びょうの穴空きでは退去時に壁紙張替となる、など説明を受けました。

細かな性格の大家さんでしたのでしょうね。真面目に大家さんの注意事項とお付き合いしましたが、所有物件ではないと中々不便な生活を体験しました。

参考までに、その前にもワンルーム賃貸アパートに住んでいたこともありますが、他人に迷惑の掛かる一般的な規約以外は見たことはありません。

賃貸物件で探す場合には、内見の時点で注意事項・禁止事項なども先に聞き出しておくと物件選びで後悔せずに済みそうです

持ち家の維持管理いくらかかるのか

戸建て住宅の維持管理

仕事柄いろいろな戸建てのお宅を現場確認でお伺いします。中には、まだ外壁の塗り替えから数年でとても綺麗な状態で次のメンテナンス工事に入るお宅もあります。

一方で、新築から20年近くまだ一度も塗り替え工事をしていないお宅もあります。見ると躯体まで傷んでいそうで、表面的な工事では収まらないと思われるお宅もあります。

戸建て住宅の改修工事

当然、新築時からの長い年月分の改修を行うので年数相応の工事費用となります。どちらがお得でしょうか。

足場は工事をした回数分だけ掛かります。でも一回の足場設置で出来る改修はなるべく済ますことで、足場費用はだいぶ削減できます。
予算の都合もあるでしょうが、部分だけという工事は(足場工事を例に挙げると)とても割高です。
なぜなら、部分工事とはいえトラックを段取り職人を手配して現場に入る手間は変わりません。
変わるとしたら、部材費が若干軽くなる程度でしょうか。

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部分工事はお得ではない理由

反面、二世帯住宅の様な大きなお宅では大規模な維持管理費用が定期的に永続的に必要となります。その場合にはライフスタイルによっては住み替えられる方が良い場合も考えられます。

次項では大きなお宅を維持管理する上での現場で感じた大変さを、実例を踏まえてご紹介します。

大きなお宅に住まう苦悩
高額になる改修工事費

現場確認へ伺うお宅には、二世帯住宅の大きなお宅から狭小敷地に目一杯建てたお宅など、様々な生活模様をうかがい知れます。

またお施主様とお話させて頂く中で、いろいろな感じ方もうかがい知ることもあります。

一例として二世帯住宅の大きなお宅、どの様な住まい方が思い浮かぶでしょうか。

二世帯住宅ですから親世代と子世代、そして子世代の子どもたちの3世代が生活をしています。少なくとも子世代の子ども達が独り立ちするまでは。

子どもが独り立ちしたお施主様はこんなお話をされていました。

子ども達の部屋も考えてこのような(大きな)家を建てましたが、今では子どもが独り立ちして部屋が余ってしまいました。将来的に夫婦二人で住むには大きすぎて管理も大変です。

二世帯住宅ですから、通常の戸建て住宅の倍くらいの大きさはあります。

業者の私から見ても、余っている部屋を抱える大きなお宅はその分改修工事面積も大きくなり、余計に足場施工費他の維持管理のための費用が掛かってしまい大変なのは明らかです。

二世帯住宅などの大きなお宅は必要性に応じたメリットはありますが、大掛かりな改修工事も定期的に永続的に必要であることは、事前に認識が必要です。
不安なセキュリティ
部屋数の多い大きなお宅は、住まう人数が多ければ防犯の目も多くて安心ですが、住まう人数が少なくなると途端に死角が多くなってしまいます。
先ほどのお施主様もおっしゃっていましたが、
子どもが独り立ちして部屋が余ってしまうと、何かあっても気づきにくいのが不安です。
これが二世帯住宅のような大きなお宅の将来的な姿の現実の様です。
その対策としてセキュリティ対策の工事や施工が必要となりますが、大きなお宅の維持管理には外装工事だけではなく、セキュリティ対策も含めた維持管理が少子高齢化の今後に向けては必要となります。
家に多くの人が居住しているならばセキュリティの目も多くあります。
住人数が減り高齢化した大きな住居では、システムに管理された安全が大切になってきます。

分譲マンションの維持管理

持ち家(分譲マンション)では共有部分は管理組合で計画を立てて修繕工事をしますが、専有部分については自分で管理する必要があります。

自分で管理する専有部分で水回りや火の元では特に気を遣う部分が多くあります。

15年住んだ我が家マンションのトイレでは水の浸み出しが発生しました。ウォシュレットだけの交換でも大丈夫そうでしたが、業者の人に見てもらうとトイレのタンクパッキンからの水漏れもいずれは起こるとの話でした。予定外の費用出費であり、だいぶ悩みましたが、タンクからジャバジャバ漏って下階に迷惑をかけてからでは、それこそ大変な費用負担になるので、先手を打ってトイレ本体ごと丸ごと交換しました。

とは言え15年経っています。トイレ本体は陶器製で半永久的は物と誤認していましたが、やはり15年程度では交換していく物とこの時に初めて知りました。

ここで盲点なのは床材です。交換するトイレの製品により、寸法や形状が若干異なるので、昔のトイレの跡が見えてしまう恐れがあります。その時は床材も併せて交換すると、別途費用も発生しますので、要ご注意!

分譲マンションでは専有部分は自由にアレンジできますが、その反面、維持管理も自分で行う必要もあります。

災害時

賃貸住宅で居住の場合、地震などで被災崩壊した場合の議論はあまり見ることがありません。

賃貸アパート(木造)では大きな地震の場合、崩壊の可能性もない訳ではありません。危険建物として強制退去となった場合には、避難所生活から仮設住宅、その後を新たに探さなければ住むところがなくなってしまいます。

一方、持家の自宅(土地)があれば、仮でも何でも再建して生活の復旧の足掛かりとすることができます。またマンションは災害に強いと言われており、「自宅避難」と呼ばれる、衛生環境のよくない避難所ではなく自宅で生活復旧をさせていくことができます。しかしマンションでの災害時の不便もありますので、対策は別途必要です。

特に木造の賃貸物件では、災害時の想定は事前に検討が必要です。

社会的信用

クレジットカードやマイカーローンの審査で住所(立地)等の他、居住形態(持ち家〈戸建て/マンション〉・賃貸・社宅等)を記入する項目があると思います。

何のために聞かれているのでしょうか。

これは資産を問いている訳で、立地や戸建て/マンションなどの種別も資産価値に関係していると考えた方が良いと思います。

中でも持ち家であることは、住まいそのものが資産としてみられるため社会的信用度が高い、と判断される傾向があるようです。購入した家は担保としてみなされるわけです。

また「持ち家であり住宅ローンを組んでいる」と言うことは、返済能力を証明してもらっていることを意味します。そして子供の進学の際の教育ローンなど追加ローンも住宅が担保となり、審査優遇を受けやすい傾向があります。

実際に我が家でも子供の教育ローンを各社検討しました。結果として住宅ローンと同一金融機関であれば住宅を担保として優遇金利適用となり、比較的円滑に進めることができました。、比較的円滑に進めることができました。
クレジットカードやその他ローンの与信審査には、居住形態と居住年数が大きく影響していることを認識したうえで賃貸に住むことも必要のようです。

まとめ

所帯を背負っての住み替えは気軽とは言い難いと思います。なおかつ苦労して賃貸を住み替えても、社会的信用度が低いことは不釣り合いに思います。
その辺りまで見据えての将来設計を考えることが大事ではないでしょうか。
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