「その手があったか・・・」私が住まいを検討しているとき“長く住むものだから絶対に新築”という固定観念を持っていました。
【新築と中古】中古マンションには古びたイメージがありませんか。愛車でも新車で乗り継いでいく人は一定数いると思います。しかし考えていくと、車や携帯などモデルチェンジする直前の型式は不具合が修繕された成熟した車種(機種)だからむしろ良い、という風に聞きます。
マンションも住み始めて巡行運用が始まってみると、「売り」のために考えられた化けの皮が剝がれて実際の姿が見えてきます。言うならば、中古マンションは成熟した住処とも言えます。
しかし中古といっても幅は広く一括りでは判断できません。「一定の条件」をクリアできれば、新築マンション派のあなたも【築浅マンションの中古】でしたら、選択肢としてはアリだと思います。
もちろん新築ならではの利点は多くありますが、同時に新築ならではの化けの皮もあります。
ここでは、新築物件のメリットとしてよく紹介される化けの皮を、剥げるもの剥げないものとを見極めていきたいと思います。
分譲物件の購入心得
維持費
物件紹介のチラシには「毎月の家賃程度で家が買えます」と表記されているのを見ますが、それは信用してはいけません。販売会社が売りのために安く見せかけた嘘で、売り手側のセールスの人間はあまり語ろうとはしません。
しかし出ていく財布はひとつなので、むしろその他の費用の方が重要かもしれません。賃貸物件と違うところは、家賃の他にも固定資産税や修繕費用といった住まいに掛かる費用が発生するところです。
それぞれご紹介していきます。
固定資産税
固定資産税は文字の通り資産に関する税で「土地」「家屋」が含まれ、立地や構造により算定は大きく変わってきます。
土地は立地によって大きく変わってきますが、傾向としてマンションの方が立地が良いところにあることが多いようです。しかしマンションの場合には土地は居住者共用のものになりますので、いち世帯あたりの持ち分としては少なくなります。
家屋については木造と鉄筋コンクリート造の構造の違いが耐用年数の違いとなり、鉄筋コンクリート造の方が資産性が高く評価されます。
資産価値に関する情報はこちらを参照ください。
修繕費用
新築マンション購入の際、修繕積立金についての話がいつぞやのタイミングであるかと思いますが、この修繕積立金の額は鵜吞みにしてはいけません。
修繕積立金は新築時には売れやすい様に安めに設定されています。策定された修繕積立金計画をはじめとした問題点が露呈してきたりもします。実際にはその金額では修繕工事費用が足りないケースが多々あります。
その点において、ある程度管理の道すじが見えて将来への線路が引かれている中古物件であれば、今後の安心感が違います。
それに築浅の中古マンションであれば建物の状態も健全な状態に近いと思います。住まいの選択肢として検討の余地は十分にアリではないでしょうか。
品質保証
新築の建物には10年の保証が義務付けられています。これは基本構造部分に関わる「瑕疵担保責任」というものが「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」によって定められているためであります。
ここで瑕疵とは新築時点では明らかではない欠陥や不具合のことで、売主が買主に対して負わなければならない責任が「瑕疵担保責任」です。
しかしこの「瑕疵担保責任」は新築物件には10年保証が義務付けられていますが、中古物件にはありません。
これに代わるものとして中古物件の場合には、「既存住宅売買瑕疵(かし)保険」というものがあります。
本来、売却した物件に瑕疵(欠陥)が見つかった場合、売主から買主へ修繕補償しなければなりません。一方で売主が瑕疵保険に加入している物件であれば、保険機関(住宅瑕疵担保責任保険法人)が代わりに補修費用を負担してもらえるという保険制度です。
ただし、注意点として付帯設備などは瑕疵保険の対象にはならないことに気をつけなかればなりません。
新築マンション
新築マンションでも第1期販売ではすべてがゼロからのスタートですので、様々な部分で自由度が高いのが、最大のメリットと言えます。
間取りやデザインのカスタマイズ
新築物件では躯体工事は着工している場合でも、内装やデザイン設計はまだ変更可能な場合があります。壁紙やキッチンカウンターのデザインやフローリング・ドアノブなどの色合いと言ったものが最たるもので、無料から有料のものまで多くの見本から選ぶことができます。
また、オプションでの造作や配管の変更依頼といった追加工事も依頼できることがあります。
駐車場は新築時に確保すべし
マンションでの駐車場は全住戸分は無いケースは多くあります。そしてその多くは契約順に場所を選択していくことが多いかと思います。要は早い者勝ちということになります。
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ここでご紹介した新築マンションでのメリットはほんの一例ですが、詳しくはこちらでご紹介しています。
中古マンション
中古マンションの見極め方
中古マンションであれば、建物自体の管理は管理組合が行っているので、戸建てほどは建物の状態を懸念する必要性はないかもしれません。ただし、管理組合の管理するのは共用部分についてなので、区分所有内の様子は良く確認する必要はあります。
中古リフォーム物件についての注意点はこちらご参照ください。
また中古マンションを内見する場合は、可能であればゴミ置場も鍵を開けて見せてもらうと良いかと思います。住人の品位や管理の行き届き具合が現れています。
再売却困難の可能性
中古マンション購入を検討する場合、どの程度先まで考えて検討しているでしょうか。目先の価格のみで考えると後々大変な問題に遭遇することになります。
例えば築30年の中古マンションを購入して20年住み、子どもの独立と定年を機に田舎へ帰還しようと住宅の売却を検討したとします。
固定資産税の算出基準から見た想定耐用年数はマンションでも47年、戸建ては22年とのことです。築50年を経たマンションは資産とての価値は評価されないという状態になります。
買い手がつかないもしくは買いたたかれるという状況が考えられます。なかなか売るに売れないなわけです。そして売るに売れない状態のマンションに住み続けるということは、次項でご紹介するマンション老朽化問題へと突入していくこととなります。
また、中古マンション購入で注意することは、安い中古マンションを見つけたとしても、旧耐震基準※のマンションのため買い手がいない物件である可能性があります。なぜなら買ったとしても、売れない物件は銀行が担保としてみなしてもらえないため、ローンが組めないため=買い手がつかないという懸念があります。
※旧耐震基準とは耐震のための構造基準で、1981(昭和56)年5月31日までに建築確認を受けた物件です。旧耐震では「震度5程度の中規模の地震で大きな損傷を受けないこと」が基準でした。一方の新耐震では、「震度6程度の大規模な地震で建物の倒壊や損傷を受けないこと」となっています。
マンションの老朽化問題
集合住宅では新築時は良好物件でも年数を経た物件は、戸建てとは違う難しい問題が発生してきます。
前項で少し触れましたが、中古マンションを再売却できずに住み続ける場合、年数の経ったマンションは建て替え問題に遭遇するかもしれません。
ここで問題なのは「集合住宅」であること。戸建てであれば個人の判断で済みますが、年代層の幅の広い集合住宅では意見がまとまるのは至難の技かと推察します。
そこには、建替えには修繕積立金の範囲を超えた多額の費用がかかるという背景があります。修繕積立金の他に一時金としての徴収が必要な訳です。一時金の支払いが困難な住戸や、高齢なため建替えても長くは住まないので反対する住戸、様々な部分で意見があるでしょう。
まとめ
新築マンションにも築古中古マンションにも不確定要素を含むデメリットがあります。
築浅中古マンションにもデメリットはありますが、比較的手近のところで解決しやすいかと思います。部屋位置、間取り、キッチンの使い勝手など気に入るか気に入らないで解決できるものもあります。