【マンション】後悔しない住まい探し|修繕工事を知れば見方が変わる

修繕計画から逆算して住いを探す リフォーム
大規模修繕工事を知れば住まい探しが変わる
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工事監理はどこに頼むのが良いのか

そもそも工事監理とは

まず「工事監理」という言葉、あまり聞き慣れない言葉ですので難しく感じるかも知れませんが、監理の「監」は監督の「監」という字ですので、なんとなくの想像はつくかと思います。

正確には

「工事監理」とは、その者の責任において、工事を設計図書と照合し、それが設計図書のとおりに実施されているかいないかを確認すること(建築士法第2条より)

と規定(説明)されているように、第三者的に見て工事の正当性(妥当性)を確認することを言います。

ところで工事監理者は必要?

ではなぜ第三者的に監督する必要があるかと言うと、施工業者が不正をして工事を安く仕上げようとすることなど、設計に反することを防ぐ狙いがあります。

我が家マンションでもマンションの修繕工事にあたり

  1. 監理業務を委託する
  2. 元請け施工会社の責任施工とする(監理会社は委託しない)

という選択肢がありました。

1を選択することがベターだということは理解していますが、監理費用が別に掛かり割高にはなります。居住者の修繕積立金を預かる、私を含めたマンション修繕委員の皆は悩みましたが、マンション修繕委員会の責任として施工不良の責任までは負えないので監理会社を委託して、きちんとした施工を目指すこととしました。

工事監理を頼むとしたらどこに依頼したら良いの?

監理業務を委託してきちんとした施工を目指すことを決めた私たちマンション修繕委員会ですが、次の選択として「どこに頼むかという」選択がありました。選択肢として

  1. 監理会社を公募する
  2. マンションの管理会社(兼設計事務所)に委託する

という選択肢がありました。

世のマンション管理会社の皆がそうではないかと思いますが、我が家マンションの管理会社では設計事務所も併設していたことから、一級建築士の方がいろいろと説明してくださりとても助かりました。

そういう経緯もあり、我が家マンションの修繕委員会ではマンションの管理会社に修繕工事の監理業務を委託することとしました。

マンション管理会社(兼設計事務所)に監理業務委託をすると良いのか?

マンションの管理会社に工事監理業務も委託することはメリットもあればデメリットもあると思います。私は我々マンション管理組合の監理権を委託することは放棄するに等しいと考えています。

メリット

  • 管理組合の事情を把握しているので、修繕積立金を加味した工事計画を立てやすい
  • 修繕工事の不具合などあれば、管理会社を通じて監理担当と連絡を取りやすい
  • 第2回第3回の大規模修繕工事に向けた修繕計画(修繕積立金見直し)など、的確なサポートが得られる。

デメリット

  • マンション管理と修繕工事の情報が一社に集積されているので、マンションの管理会社の変更など検討が難しい
  • マンション管理会社からの提案に対して、言われるがままになってしまう可能性がある
  • マンション管理や工事監理に対する第三者的評価(意見)を得にくい

マンションの管理会社と工事監理会社を包括することはメリットもあればデメリットもありますが、私たちマンション修繕委員会は、マンション事情を知った最善な修繕計画立案をして頂けるメリットを選択しました。

またマンション管理会社とは修繕工事もお付き合いは継続するので、次の大規模修繕工事に向けた早い対応を取ることができるのは、最大のメリットだったかなと思います。

大規模修繕工事における工事監理 まとめ

分譲マンションで生活をしていて大規模修繕工事に遭遇することは避けることはできませんが、なかなか遭遇することでもありません。しかも業界での仕事をしていない限り、普段は関わりのないことだらけだと思います。

そのような環境下でマンションの管理会社はとても身近な存在でありますし、マンションの管理会社はそう簡単に入れ替えるものでもないと思います。

分譲ではマンション探しの段階で管理会社はどのような会社なのかということも注目してみると、物件探しの判断基準がまた違ったものになると思います。

設計事務所併設のマンション管理会社の物件では、入居後必ず訪れる修繕工事への対応が楽になります。

修繕積立金の実態

修繕積立金の見直し資料

修繕積立金の見直し例

修繕積立金は新築当初の金額はあてにならない

我が家マンションの場合もそうですが、新築時は修繕積立金は安めに設定されています。なぜならば、管理組合が決めた修繕計画ではなく、販売会社(もしくは販売会社の息のかかった管理会社)が一方的に決めた暫定的修繕計画だからです。

販売会社はマンションを販売するのが目的であり、販売後の維持管理に関してまでは責任はありません。

そして、分譲マンションでは契約の商談時に「月々の支払ローンはこれくらいで他に管理費と修繕積立金でこれくらい掛かります」と、月々の支払金額をシミュレーションをしてくれます。しかし、このシミュレーションは信用してはいけません。

なぜなら、このシミュレーションに含まれる修繕積立金は販売のために販売側が作った最低限の修繕計画であるからです。

実際、我が家マンションでは、新築入居後数年で修繕積立金の値上げがありました。その後、第一回の大規模修繕工事が行われた後に、今後の修繕工事を見据えて更なる段階的値上げをしていくことが決まりました。
新築物件の場合、修繕工事積立金の値上がりを想定して月々のシミュレーションをすることが賢明です。中古物件であれば、修繕工事積立金の見直し検討はされているのか確認することが大切です。

値上げの無い修繕積立金の方が逆に危険

新築分譲マンションでは我が家マンションのように、新築入居後数年のうちに修繕積立金の見直しと値上げが検討されることが大半であると認識した方が良いと思って間違いありません。

修繕計画も一度見直したからと言って安心できません。昨今のような値上げラッシュでは資材の物価も検討当時と現在とでは異なってきます。さらにどの業界でも言われている人手不足により、人件費の高騰のため工事費用を値上げせざるを得ない環境でもあります。

そのような時世であるにも関わらず、値上げも含めた修繕計画が検討されていない物件では修繕費据え置きと喜ぶのではなく、無計画な修繕計画の物件を敬遠すべきかと思います。

要するに修繕に必要な資金が集められないので、直すべきところが直せないという状態に陥ります。そしてそのような物件では資産評価が下がって然るべきと言えましょう。そのような状態になってからでは売るに売れない、すなわち住み続けるしかないという最悪のシナリオとなってしまいます。

新築物件入居の場合、修繕計画は適正なのか早めに確認することが賢明です。管理会社も管理組合も無計画であるなら、売れる状態のうちに売却転居することが後々の身を助けます。
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