【戸建てとマンション】何が優先?広くて自由な居住性と近くてエコな利便性

住まい方比較
あなたのマイホーム、住まいに求めるものは?
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居住性と利便性|マイホームに求めるものはどちらですか?

「広くて住みやすくて駅から近いところに住みたい。」家探しの究極の理想だと思います。しかし現実的にはなかなかそうはいきません。

では家探しで優先させるとしたら何でしょうか。広くて居住性の高い家でしょうか?駅から近くて利便性の高い家でしょうか?リビングだけをとってみても様々にあり方が違います。

開放的な吹き抜けリビング(戸建て)

コンパクトな機能的リビング(マンション)

リモートワークで仕事部屋を用意したい、もしくは家族が増えたから広くて部屋数の多い戸建て住宅。または、子どもが独立して住まう人数が減っていく老後の生活も考えて駅から近く利便性の高いマンション。

マイホームに求めるものが居住性なのか利便性なのかにより資産価値も変わり、探し方が変わってきます。特に利便性は資産価値に関係していて、将来的な売却を考えた場合に資産価値=売りやすさにも関与してきます。

住宅業者等の売り手目線からの戸建て/マンション比較特集は既にいろいろあるかと思います。ここではユーザー目線からの実際に住んでみた、あるいは実録から考察した『現場視点』の切り口からご紹介していきます。

この記事はこんな人におすすめです

戸建てかマンションかはマイホーム探し初期の分岐です。マイホーム探しの方針決めでの後悔は全ての後悔につながります。この記事は貴方のマイホームに求める希望を明確にしてくれます。

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はじめに

家づくり・家探しを始めるきっかけはそれぞれかと思いますが、戸建て住宅もマンションもそれぞれにメリット・デメリットはあります。

  • 戸建てのメリット(居住性が高い)

マンションよりも広く居住性が高い、庭での生活を楽しめる、リフォームなどの自由度が高い

  • マンションメリット(資産価値が高い)

駅に近い場合が多い、街への利便性が高い、戸建てよりも資産価値が落ちにくい

簡単に挙げただけでも、特性の違いが分かってきます。

しかし売却の可能性も考えるのであれば、売却対象となるターゲットの広さは売りやすさ(資産価値)に直結しているため、万人受けする物件の方が売却損益は少なくなります。

マイホームに求めるものは何でしょうか。終の棲家までのロードマップはできていますか。

建物構造の違いがもたらすもの

戸建てとマンションで大きく異なるのは、戸建て住宅が一般的に木造が多いのに対して、マンションでは鉄筋コンクリート造が一般的と言えます。

この材料力学的な違いの詳細は別章で改めてご説明しますが、ここでは結果として関係してくる私たちの生活についてご説明いたします。

戸建てとマンション、生活が快適なのは…

戸建てとマンションの比較でまず思いつくのは、間取りの特性が根本的に違います。

  • 戸建て(一軒家)・・・部屋数が多い、廊下ではっきり区分けされる、多層階が一般的
  • マンション・・・部屋数が(戸建てに比べて)少ない、部屋続きが多い、ワンフロア

といった構造的な違いが出てきます。

この違いは結果として、どこに出てくるでしょうか。

老後はワンフロアでの生活が快適

マンション生活での最大の特徴はワンフロア完結での生活です。このワンフロア生活は生活動線が短く、平面移動のみであるためバリアフリーですので、歳を重ねた時にも苦労が少なくてすみます。

実際に実家でもそうですが、年老いて足腰が弱ってくると二階部分はほとんど使われなくなり、一階でのワンフロアで生活するようになってきます。家の掃除も二階まではなかなか手が回らず、ヘルパーさんに何かと助けられているという状況です。

歳を重ねてくると、コンパクトなワンフロアでの生活の方が良いと思います。またマンションであれば掃除は室内だけで済みます。

外周りの清掃は管理人さんにお願いできることは、管理費がもらたす利便性でもあります。

終の棲家を見据えて住まいを考えるのであれば、コンパクトなワンフロア生活の方が良いと言えます。

人の動線は空気の動線

ワンフロアでの生活は生活動線が短く、移動が平面のみであることを前段で説明しました。

これは人の生活移動についての解説でしたが、実際には人の移動に伴う空気の移動についても同様であります。

生活動線が短くてコンパクトであれば、快適に空調する空間はコンパクトに収まります。逆に生活動線が長く、上下移動も多岐にわたる空間では、広大な空間をコントロールしなければなりません。

ここでは快適空間をコントロールするためのエアコン事情を考えてみます。

電気代はどちらが抑えられるのか

戸建て住宅では各部屋に設置されていないと、夏場は特にしのぐことが出来ないと思います。また冬場も暖房としてエアコンを使うことも多いと思いますが、冷房よりも暖房の方が電力を多く必要とします。

いずれの場合にも戸建て住宅はエアコン設備費がかさみますし、当然電気代もかさみます。戸建て住宅ではマンションの1.5倍の電気料金がかかるとも言われています。

一方、マンション事情を我が家(3LDK)の事例で説明すると、まずエアコンは1台しかありません。(各部屋に設備している家庭ももちろんあります。)夏場、各部屋へは扇風機で冷気を巡回させていますので部屋移動による寒暖差もなく、設備費と電気代も抑えられていると思います。

夏場は日中夜間とも在宅中はほぼフル稼働させていますが、そのような使用状況下での電気使用状況は次の様な状況です。

戸建て-マンション 電気使用比較

引用:戸建て平均電気代はsora denki(SORAシム株式会社)HPより

やはり、戸建てはエアコン等の住宅設備が多く必要なため電気代がマンションよりも高いと考えられます。特に冬場から春先にかけての電気代が戸建てでは高くかかると見られます。

夏場はたいして違いはないのに、どうして冬場の電気代は戸建ての方が高くかかるのでしょうか。

戸建ての電気代はなぜ高い
戸建ては独立住居がデメリット

戸建てとマンションの最大の違いは集合住宅であるかどうかです。すなわち建物(部屋)の外周が外気かどうかです。

これは空気の断熱性についての記事でご説明していますように、空気は最高レベルの断熱材でありますので、隣の住居に囲まれていることは、マンションの住居は最高の断熱材を羽織っていることになります。

一方、戸建ての住居は外面に接する面積が多く外気の影響を受けやすいため底冷えしやすいと言えます。

建築素材の特性の違い

戸建ての住居は電気代が高くつくことは建物の構造部材(材料)も関係していて、戸建て住宅の多くは木造で建築されているかと思います。一方のマンションは鉄筋コンクリート造が大部分であります。

構造材の素材の特性についての記事でご説明していますように、材質特性としてコンクリートは暖まりにくく冷めにくい性質があり、一度部屋が暖まれば少しの暖房で快適な室温が保てるという訳です。

居住性は広い居住空間の戸建てが勝りますが、逆にコンパクトな居住性が特徴のマンションはエコ生活の面で優位性があります。

【あわせて読みたい関連記事】構造の違いがもたらすエアコン効率の違いとは

木造と鉄筋コンクリート造|素材の特性を知れば家探しはこう変わる

固定資産としての法定耐用年数

念願のマイホームを購入して待ちに待った暮らしが始まります。ですがライフステージの変化等によって売却を検討する場合もあるかも知れません。

その場合、木造の戸建て住宅は法定耐用年数上の資産価値の目減りが早く、22年で目安となる資産価値(法定耐用年数)はゼロとなります。あとは土地の資産価値如何によります。ただこれは立地により資産価値が様々ですので、買い手がつかない可能性もあるかも知れません。もしくは解体(自費)して更地に戻さないと売れないかも知れません。

一方、コンクリート造のマンションは目安となる法定耐用年数状の資産価値は47年と、戸建てよりもマンションの方が資産価値が下がりにくいと言えます。

もしくは仮にローンを組んだ住宅の売却を検討したとすると、住んだ年数とローン年数によっては

マンション資産価値 > ローン残債

戸建て住宅資産価値 < ローン残債

となり、戸建て住宅の売却はローン残債に対して逆ザヤになる可能性もあるかも知れません。

参考として当マンションの実例で紹介しますと、とある部屋はちょうど築15年のタイミングで売りに出ました。そのお値段は、新築時2940万円していた物件が築15年の中古マンションとして2680万円で再販されていました。売値ベースでの比較ですが、築15年で260万円(8.8%)しか値崩れしていませんでした。
また補足するならば、木造住宅は22年で法定耐用年数の資産価値はゼロとなりますが、それ以上は下がらないことを考えるならば、築22年の中古住宅の購入は法定資産価値の目減りはないと言えます。
広い居住空間の戸建て住宅は居住性では優位ですが、万が一売却を考えた場合、資産性の高いマンションに優位性があると言えます。

管理費がもらたす利便性

管理費によるゴミ出し利便性の違い

我が家の目の前には同じ町内の公園があり、ごみ集積場も隣接されています。マンション以外の近隣の人はゴミ出しはゴミ収集日の朝なので、皆さんルールを守って朝になって家庭から持ち出しています。

一方の我が家のマンションでは管理費を払った共用施設ということもありますが、集積場への持ち込み日時の規定はないので、節度を守りつつもある程度自由に鍵付き集積場に持ち込みをさせてもらっています。

道路を挟んで向こうとこちらでまったく違う生活習慣だなあと日々思っているのですが、おかげで狭いマンション生活の中ではありがたいことに、比較的ゴミをためずに生活できています。

ゴミステーションには居住者のマナーと管理会社(管理人さん)の建物管理の管理レベルが現れていると思います。

幸い我が家マンションでは、ゴミステーションでの分別管理もされていますし、居住者も分別に従ってゴミ出しをしているので、きちっと管理されている方かと思います。

また、以前はゴミステーションで見かけたゴキブリも今では見かけなくなりましたので、管理人さんが清掃もきちんとなさって頂いているおかげかと思います。

マンションを選ぶ際にはゴミステーションの管理方法もチェックなさってみてはいかがでしょうか。

まとめ

漠然としたイメージで戸建てかマンションかを方向づけると後悔のもとになります。住居に求めるもの《居住性か利便性(資産価値)か》をまず方向づけることで後悔しない家探しをすることができます。
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